そこにあるものは
こんにちは。
ナインです。
本日も本の紹介です。
今回紹介する作品は、「高野和明」さんの
『ジェノサイド』
です。
2012年に「このミステリーがすごい!」で1位をとった作品です。
2011年に出版されたすこしだけ昔の作品ですが、 是非一度読んでみてください。
あらすじ
全く接点のない大学院生の研人と傭兵のイエーガー。
二人の運命はとある出来事をきっかけに交差する。
片やただの大学院生。
片や息子を救うために金を稼ぐ傭兵。
二人の前に人類を巻きこんだ壮大な事件が巻き起こる。
感想
最初に出てくる感想はやはり「まるでハリウッド映画を見ているようだった。」だろう。
それほどまでに壮大な物語であったと言える。
それに加えて、場面をイメージすることが容易であるのも本作の魅力の一つといえる。
他の方がどう思うかはわからないが、少なくとも私にとっては次々と変化していく場面をイメージすることは容易かった。
「まるでハリウッド映画を見ているようだった。」という感想には、ハリウッド映画のような壮大な話であること、次々と変化する場面をイメージすることによって映画を見ていると錯覚してしまう、という二つの意味を含ませており、この二点から「まるでハリウッド映画を見ているようだった。」と出てくる。
さらに、フィクションであると頭ではわかっているのだが、実際に起きる、もしくはすでに起こっているのではないかと思わせるほどのリアリティがある。
読んでいる中で、まるで自分も物語の中の登場人物になったかのような没入感も得られるだろう。
読んだ当時中学生だった私は、最初こそ難しい話が続いてページを繰る手があまり進まなかったのだが、途中から一気に読み進めてしまい、あっという間に最後まで読んでしまったのはいい思い出である。
本作は日本とアフリカ、アメリカで物語が同時進行するのだが、一見まるで接点がないように見える。
しかし読み進んでいる内に点と点が繋がり、一つの線になっていく。
物語が進むにつれて増していく緊迫感の中でこうも綺麗に点が繋がるのは見事と言える。
ただ一つ納得できなかった点がある。
あまり書くとネタバレにつながるので控えるが、作者はなぜあの描写をしたのだろうと思った。
ちがう書き方があったのではないかと思う。
当時中学生であった私ですら不思議になった。
もし今またこの作品を読んだなら、きっと当時とは違った感想になっただろう。
最後になるが、あとがきに記されている参考文献の数には驚かされた。
それと同時にこれだけリアルな世界観を作り上げていたのはたくさんの知識があってこそなのだと納得もした。
これほどの大作を書き上げた作者の情熱を感じられる一冊であると言いたい。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
今回は『ジェノサイド』の感想でした。
前述したように、本作は「このミステリーがすごい!2012」で1位に選ばれた作品です。
2012なので少し古いのでは? と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、全くそんなことはなく、今読んでもとても楽しめる作品となっています。
寧ろ2012年にここまでの話ができていることに驚かれると思います。
是非お手に取ってみてください。
私事なのですが、感想ですと考察よりも短めになってしまいます。
考察する時間があまりないので暫く考察は書けないかもしれません……
なので暫くは感想メインで書いていくつもりです。
また特別編で本以外の作品についても書いてみようかなと考えております。
最後までお読みくださりありがとうございます。