【特別編】語の誤用を考える


お久しぶりです。

ナインです。

今回は少し趣向を変えて、特別編といたします。

題して「誤用が多い日本語」です。

友人と会話している時や、SNSを利用しているときなど、よく間違われて使われている言葉があると感じます。

私としてはやはり言葉は正しく使ってほしいので、今回特別編という形で少しでも誤用がなくなってほしいなと思い、この企画を思いつきました。

それでは早速紹介していきましょう。

 

役不足

『①俳優などが、自分に割り当てられた役に対して不満を抱くこと。

②その人の力量に比べて、役目が軽すぎること。

「—の感がある」

▶︎誤って、力不足の意に用いることがある。』

 

まずはこれです。

最近では正しい意味が広がっている気がしますが、やはり誤用も多いです。

役者の力不足を表す言葉として「役者不足」と用いられているのを偶に見かけますが、「役者不足」という言葉は存在しません。

例え使われていても、役者の数が不足しているのかな? と思ってしまいます。

役不足」は正しい意味で使い、「役者不足」は使わないようにしましょう。

 

破天荒

『今まで誰もしなかったことをすること。未曾有。前代未聞。「—の大事業」』

 

これは誤用が多い気がします。

寧ろ誤用しか見かけません。

豪胆で気概にあふれている、型破りといった意味で使われていますが、誤用です。

気をつけて使いましょう。

 

徐に

『落ち着いてことを始めるさま。しずかに。ゆるやかに。おもぶるに。「—口を開く」』

 

突然、急になどの意味で用いられることが多いです。

しかしゆっくりとという意味が正しいので注意しましょう。

「徐行」の意味を考えたら分かりやすいのではないかなと思います。

 

(話の)さわり

義太夫節の中に他の音曲の旋律を取り入れた箇所。曲中で目立つ箇所になる。

転じて、邦楽の各曲中での最大の聞かせ所。「くどき」の部分を指すことが多い。

さらに転じて、一般的に話や物語などの要点、または、最も興味を引く部分。「—だけ聞かせる」』

 

「さわり」も誤用が多い語です。

話の最初の部分という意味で用いられることが多いですが、実際は話の要点を示す語になります。

「物語のさわりの部分だけ教えて」という時にネタバレを食らう場合があるので、注意して使いましょう。

 

敷居が高い

『不義理または面目ないことなどがあって、その人の家に行きにくい。敷居がまたげない。』

 

「敷居が高い」も誤用が多いです。

上品すぎて加わりにくい、ハードルが高いといった意味で誤用されます。

「あそこ行くの敷居が高いわー」なんて聞くと、この人は何か不義理なことでもしたのかな? と思ってしまいます。

ハードルが高いといった語を用いましょう。

 

すべからく

『なすべきこととして。当然。大鏡序「—神武天皇をはじめ奉りて」』

 

全体的、すべてという意味で誤用されますが、当然〜べきという意味で使います。

すべからくは須くと書きます。

必須という意味と一緒に覚えてしまうのがいいでしょう。

 

憮然

『①失望してぼんやりするさま。失望や不満でむなしくやりきれない思いでいるさま。「—として立ちつくす」

②あやしみ驚くさま。』

 

腹を立てているさまや不満があるさまとして誤用されます。

正しくは失望して呆れることを指します。

とはいうものの、「憮然」という言葉自体あまり使われているのを見ません。

ただ使う際は間違えないように注意しましょう。

 

姑息

『(「姑」はしばらくの意)一時のまにあわせ。その場のがれ。「—な手段」』

 

よく見る誤用される語です。

卑怯という意味で使われますが、正しくはその場しのぎのという意味です。

卑怯な手を使ってその場をしのいだ場合、一応正しい使い方ではあると思います。

間違えないように注意しましょう。

 

閑話休題

『(話を本筋にもどす時に用いる語)無駄話はさておいて。それはさておき。さて。』

 

小説を読んでいるとよく見かけるフレーズです。

本筋とは関係ない時に使うのが正しい使い方なのですが、最近本筋から逸れるときに使われる逆の意味で使っているのを見かけます。

逆の意味で使わないように注意しましょう。

 

気が(気の)置けない

『気詰まりでない。気づかいしなくてよい。

▶︎近年誤って、気を許せない、油断できないの意で用いることがある。』

 

今回最後の紹介です。

言葉の意味をしっかりと考えれば、気をおかなくてよいという意味ですから、気づかいがいらないという意味で捉えられると思います。

語によっては文字から意味を捉えることのできるものもあるので、しっかりと考えてから使いましょう。

 

おわりに

今回初めての試みでしたが、いかがでしたでしょうか?

やはり日本語は正しく使ってほしいと思っています。

今回は語の誤用を紹介しましたが、間違った日本語の使い方なども紹介していきたいと思っています。

二回、三回と更新していき、少しでも皆さんが正しい日本語を使ってくれるようになればと思っています。

 

最後までお読みくださりありがとうございます。

正しい日本語の使い方
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