象徴


こんにちは。

ナインです。

本日も本の紹介です。

今回紹介する作品は

 

『黒猫』

 

です。

以前にも書いた江戸川乱歩の名前の由来となった作家です。

ポーは世界初の推理小説と言われる『モルグ街の殺人』などを書いています。

さて今回は『黒猫』というタイトル通り、黒猫が出てきます。

黒猫と聞くとあまり良くないイメージがパッと浮かんでくるという方もいるのではないでしょうか?

でも『黒猫』ではそんなことなくて、とても可愛いらしくえがかれています。

ネタバレはしていません。

あらすじ
 私がこれから書こうとしているきわめて奇怪な、またきわめて素朴な物語については、自分はそれを信じてもらえるとも思わないし、そう願いもしない。自分の感覚でさえが自分の経験したことを信じないような場合に、他人に信じてもらおうなどと期待するのは、ほんとに正気の沙汰とは言えないと思う。だが、私は正気を失っている訳ではなく、――また決して夢みているのでもない。しかしあす私は死ぬべき身だ。で、今日のうちに自分の魂の重荷をおろしておきたいのだ。私の第一の目的は、一連の単なる家庭の出来事を、はっきりと、簡潔に、注釈ぬきで、世の人々に示すことである。それらの出来事は、その結果として、私を恐れさせ――苦しめ――そして破滅させた。だが私はそれをくどくどと説明しようとは思わない。私にはそれはただもう恐怖だけを感じさせた。――多くの人々には恐ろしいというよりも怪奇なものに見えるであろう。今後、あるいは、誰か知者があらわれてきて、私の幻想を単なる平凡なことにしてしまうかもしれぬ。――誰か私などよりももっと冷静な、もっと論理的な、もっとずっと興奮しやすくない知性人が、私が畏怖をもって述べる事がらのなかに、ごく自然な原因結果の普通の連続以上のものを認めないようになるであろう。

感想

ハッキリいうと『黒猫』という作品を、作品単体として見たとき、私はそこまで高い評価を下せない。

もちろん面白いことはまったくその通りなのだが、メチャクチャ面白いかといわれると、否であろう。
 しかし『黒猫』は世間的に評価が高い作品である。

たしかにそうかもしれない。

こういうと先程の私の発言とは矛盾すると思うが、先程の私の発言はあくまで作品単体としての評価である。

今でこそ珍しくもなんともないような内容、オチであるが、この作品が書かれた時代を考えると、当時としては相当に真新しい作品だったはずだ。

『黒猫』が書かれた当時は推理小説がこの世に産まれたばかりの時代だ。

そんな時代であるからこそ、『黒猫』のような作品は数が少なかったのだ。

そんな中で世に出されたこの作品は高い評価を得ることとなったわけである。

 

そんな背景を考えながら読み進めていくと、また違った面白さが見えてくるのではないだろうか。

おわりに
 思ったように時間がとれず、前回の更新から少し間が空いてしまいました。

次回はなるべく早く更新できるように努めます。

 

最後までお読みくださりありがとうございます。

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