明日は我が身…かも


こんにちは。

ナインです。

本日も本の紹介です。

今回紹介する作品は

 

『鯉』

 

です。

岡本綺堂の作品ですね。

岡本の作品について書くのは初めてですので、少し紹介をば。

岡本は東京の出身で、著名な作品に『半七捕物帳』があります。

これは岡本がアーサー・コナン・ドイルシャーロック・ホームズに影響をうけたためと言われています。

現代の探偵ものを書くと西洋の模倣になりやすいので、純江戸式で書くことにしたそうです。

『鯉』は鯉が主役の話ではなく、鯉の呪いが云々という話ですので、鯉が苦手という人も安心してください。

ネタバレなしです。

あらすじ

 日清戦争の終った年というと、かなり遠い昔になる。もちろん私のまだ若い時の話である。夏の日の午後、五、六人づれで向島へ遊びに行った。そのころ千住の大橋ぎわにいい川魚料理の店があるというので、夕飯をそこで食うことにして、日の暮れる頃に千住へ廻った。

 広くはないが古雅な構えで、私たちは中二階の六畳の座敷へ通されて、涼しい風に吹かれながら膳にむかった。わたしは下戸であるのでラムネを飲んだ。ほかにはビールを飲む人もあり、日本酒を飲む人もあった。そのなかで梶田という老人は、猪口をなめるようにちびりちびりと日本酒を飲んでいた。たんとは飲まないが非常に酒の好きな人であった。

 きょうの一行は若い者揃いで、明治生れが多数を占めていたが、梶田さんだけは天保五年の生れというのであるから、当年六十二歳のはずである。しかも元気のいい老人で、いつも若い者の仲間入りをして、そこらを遊びあるいていた。大抵の老人は若い者に敬遠されるものであるが、梶田さんだけは例外で、みんなからも親しまれていた。実はきょうも私が誘い出したのであった。

感想
私は呪いを信じていない。

あったらいいなとは思っているが、基本的には存在しないと思っている。

私は呪われた経験はない。

まあ呪われたいとも思わないが。

科学が発展した現代では、呪いの正体が科学的に解明されることが多々ある。

現在は科学で解明できないような事象でも、もっと科学が発展すればきっと解明できると思っている。

呪いだってそうだ。

昔あったような祟りだなんだは、科学的に考えればなんてことはない現象だったりすることがある。

かの有名なSF作家であるアーサー・C・クラークは次のような言葉を残している。

Any sufficiently advanced technology is

indistinguishable from magic.

「十分に(高度に)発達した科学は魔術と見分けがつかない」

科学が魔術と見分けがつかないというのであれば、呪いもまた見分けがつかないのではないのかということだ。

もし私の身に呪いが起こっても、きっとお祓いではなく科学者に相談しにいくであろう。

おわりに

少し間が空いてしまい申し訳ありません。
次回も岡本の作品について書く予定です。

お楽しみにお待ちください。

 

最後までお読みくださりありがとうございます。

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