風変わり


こんにちは。

ナインです。

本日も本の紹介です。

今回紹介する作品は

 

走れメロス

 

です。

前回に続いて、太宰治の作品です。

走れメロス』は教科書で読んだことがあるという方がとても多いかと思います。

作品の最後に「古伝説とシルレルの詩から」と記述され、古代ギリシャの伝承とドイツの「シルレル」、すなわちフリードリヒ・フォン・シラーの詩をもとに創作した事が明らかにされています。

ネタバレしていますが、内容はみなさんご存知だと思うので大丈夫ですよね。

あらすじ
 メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明メロスは村を出発し、野を越え山越え、十里はなれた此のシラクスの市にやって来た。メロスには父も、母も無い。女房も無い。十六の、内気な妹と二人暮しだ。この妹は、村の或る律気な一牧人を、近々、花婿として迎える事になっていた。結婚式も間近かなのである。メロスは、それゆえ、花嫁の衣裳やら祝宴の御馳走やらを買いに、はるばる市にやって来たのだ。先ず、その品々を買い集め、それから都の大路をぶらぶら歩いた。メロスには竹馬の友があった。セリヌンティウスである。今は此のシラクスの市で、石工をしている。その友を、これから訪ねてみるつもりなのだ。久しく逢わなかったのだから、訪ねて行くのが楽しみである——。

感想
 メロスはきっと阿呆なのだろう。

阿呆が正義感を持つことほど迷惑なことはない。

シラクスにやってきた当初の目的も忘れ、その場の勢いで単身王城に乗り込んでいく。

もちろんそんなことをしてただですむわけもなく、刑に処されることになる。

しかしメロスは思い出したように妹の結婚式に参加させてくれと言う。

その代わりに親友を身代わりにするというではないか。

自分の身勝手で親友まで巻き込むことになったのだ。

もう少し後先考えて行動すべきだ。

 

そしてその場で処刑しない王様の邪智暴虐っぷりも疑問だ。

本当はいい人なのではないかと思わせる。

その王が疑うことが正当だと言うようになったのも偏に周りの責任なのかもしれない。

ある意味では王も被害者と言える。

自分が攻撃されないためには先に攻撃すればよいとは言うが、それを地で行くことはある意味当然なのかもしれない。

最後王が改心することは良いことだと思うが、果たして国民はそれで納得できるのか。

 

いつもの太宰の作品とは少し毛色が違う作品だろう。

そこを期待して読むと少し拍子抜けするかもしれないが、わかりやすいストーリーではあるので、教科書に載るのも納得できる作品ではある。

おわりに
 次回は明日更新予定です。

お楽しみにお待ちください。

 

最後までお読みくださりありがとうございます。

走れメロス (新潮文庫)
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