小が大を越える
こんにちは。
ナインです。
本日も本の紹介です。
今回紹介する作品は
『最小人間の怪 ――人類のあとを継ぐもの――』
です。
海野十三の作品です。
海野は日本のSF小説の始祖とも呼ばれています。
その由来は、海野は麻雀が好きなのですが、「麻雀は運が十」という考えの持ち主でした。
そこから転じて「運が十さ」をもじって海野十三(うんのじゅうさ)としたと伝えられています。
しかし問われるたびに違った答えを話していたため、今なお混乱があると言われています。
ネタバレありです。
お気をつけください。
あらすじ
この秘話をしてくれたN博士も、先々月この世を去った。今は、博士の許可を得ることなしに、ちょっぴり書き綴るわけだが、N博士の霊魂なるものがあらば、にがい顔をするかもしれない。
以下は、N博士の物語るところだ。
私は大正十五年十二月二十六日の昼間、霧島の山中において、前代未聞の妖怪に出会った。
当時私は、冬山における動物の生態研究をつづけていたのだ。
私はキャンプを張り、幾週間も山中で起き伏していた。あたりはかなり深い山懐で、木樵も見かけず、猟師にさえ会わなかった。私ひとりでこの深山しんざんを占有しているような気持がし、私の心は暢々としていた。
或る朝、起きてキャンプを出てみると、外は真白になっていた。降雪が夜のうちにあったのだ。そしてその日、妖怪に出会ったのである——。
感想
最初にこの作品を読んだとき、私はよく意味がわからなかった。
疑問は色々とあったのだが、感想はよくわからなかったの一言だった。
そのため私が少し興味を持った点について書いていこうと思う。
途中でN博士がヤナツに言い負かされている。
ここからヤナツ個人、もしくはヤナツの一族は人間よりも高い知能を有している可能性があるということが読み取れる。
しかし大きさが二三センチだと言うならば、ヤナツとその一族はN博士よりも脳の大きさが小さいと考えるのが順当である。
仮にもN博士は博士と呼ばれるほどには頭がいいと言ってもいいのだが、ヤナツはそのN博士よりも小さい脳でありながら、高い知能を有しているのだ。
ヤナツ自身も、自分たちはやがて現代の人類が滅亡した後に人類に替って地球上の最高智能生物となり、地球を支配するのだと言っている。
するとこの発言にも信憑性が増してくる。
もう一つはN博士がヤナツの一族が集まっている場所で香を嗅ぐところだ。
ヤナツの一族は前述の通り二三センチ程度の大きさしかない。
そうなってくると必然的に、身の回りの物も小さいだろう。
そこでN博士が香を嗅いだということを考えると、当然香も小さいだろう。
香が小さいのであれば、煙の量も少なくなるのが普通だろう。
そこまでふまえて考えると、N博士は少量の煙で効果が現れていたことになる。
N博士が香に弱かったのか、もしくは香の効果が強かったのか、どちらかはわからないが、いずれにしても疑問点だ。
おわりに
これからも偶に海野の作品について書けたらいいなと思います。
最後までお読みくださりありがとうございます。
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